富山の伝統和紙で作った「苗字封筒」が好調

「佐藤」「鈴木」などの名字をデザイン化した和紙製封筒「苗字封筒」の売れ行きが好調です。2012年春に発売した日本の名字ランキング上位5つ(佐藤、鈴木、田中、高橋、吉田)の「5大苗字封筒」が好評だったため、新たに7つの名字(渡辺、伊藤、山本、中村、小林、山田、清水)を加え「苗字封筒」に改名して再発売されました。

デザインを担当したのは、スタイルY2インターナショナル(東京都渋谷区)を姉妹で営む有井ゆま氏と有井ユカ氏です。お祝いの席で渡すお金を装飾の施された祝儀袋に入れるなど、日本人独特の“礼儀を重んじる文化”に着目したところから同商品の開発がスタートしたそうです。「ちょっとした会合で会費を渡す際にも、現金を何かに包んだりするささやかな気遣いが日本人のいいところ。伝統的な『越中和紙』を使って、そういったくだけた場面でも何気なく丁寧さを込められるような商品を作りたいと思いました」とのこと。

、購入者から「自分の名前を作ってほしい」という声が多く寄せられていている。生命保険会社などが公表している名字ランキング20位までは商品化することが決まっているが、その後は一定数まで購入希望者が集まれば商品化するという、共同購入の仕組みを取り入れることも検討しているそうです。

「伝統的な素材というのは、日本人のDNAに呼びかける何かがあると思います」と有井氏は語る。インクがにじんでしまったり、ボールペンが引っかかってしまったりと少しずつ日本人から離れてきた和紙。しかし、軽さや丈夫さ、温かな風合い。そういった和紙の魅力を伝えるために作られた苗字封筒は、再び日本人と和紙とをつなぐ架け橋になってくれるかもしれない。と期待しているそうです。