先日、亡くなった札幌円山動物園のマサイキリンのナナコは、熊本市動植物園より嫁入りした「小夏」という名の当時5歳のメスのキリンでした。円山動物園にはセブンイレブンが出店しており、セブンイレブンで使える電子マネー「nanako」がその名の由来で「ナナコ」と命名されたそうです。
先月30日、札幌円山動物園でマサイキリンの雌ナナコ(11歳)が横たわって死んでいるのが見つかり、動物園は31日、死因を胃の内容物が肺の気管支に誤って入る誤嚥(ごえん)による窒息死だったと発表しました。園では7月以降、飼育動物が相次いで死んでおり、10月オープン予定の新施設「アフリカゾーン」への園内動物の移動を当面、凍結することを決めました。
キリンは反すう動物で、食物を口と胃で繰り返し、かみ砕いたり消化したりしています。ナナコの餌は干し草やニンジンなどでした。北海道大獣医学部で解剖した結果、餌は胃で消化され、食道を逆流した際に誤って肺の気管支に入り込んだとみられています。
全国の動物園で誤嚥でキリンが死んだ事例は、昨年に1件、2013年に2件ありました。
円山動物園によると、ナナコは29日午後9時の閉園時間までは飼育担当者が定期的に観察しており、特段の異常はなかったとそうです。ナナコは、マサイキリンの平均寿命の半分以下ほどの年齢で死んでおり、同園は今後、ナナコの死んだ経緯を詳しく調べ、園全体の管理体制を点検するとしています。
同園では、7月下旬に絶滅危惧種のマレーグマ「ウッチー」、8月23日にはグラントシマウマ「飛馬(ひゅうま)」が死に、獣医師の増員などを盛り込んだ管理体制の改善計画を28日にまとめたばかりでした。
ナナコは04年8月に熊本市動植物園で生まれ、09年10月から円山動物園で飼育されていました。近く「アフリカゾーン」へ移す予定で、5月下旬から輸送用の箱に慣れる訓練をしていたところでした。
札幌円山動物園は、中央区の円山公園敷地内にあり、また札幌市内中心部より比較的近いこともあり、札幌市民の憩いの場にもなっております。大人でも久しぶりに動物園に行くと子供のころとは違って、ちょっとした発見があり、なかなか楽しいものです。新しい円山動物園を楽しめるのは、もう少し先になりそうですが、すべての動物が新しい施設で元気な姿を見せてくれるといいですね。